やっぱり安倍首相の退陣は避けられないかも……」。
10月2日午後、官邸・自民党内に衝撃が走ったという。全国47都道府県の選挙区、比例区の情勢調査で
「自民党単独100議席前後減の可能性濃厚」という信じられない数字が上がってきたためだ。
新聞各紙(3日付)では民進党左派の離反による「立憲民主党」結成で、
「自民・公明」VS「希望・維新」VS「民進リベラル系新党・共産・社民」の3極が争う構図になり、
安倍政権に対する批判票が分散されるので、「自民党有利」と解説している。
しかし、その実態は「森友、加計疑惑のイメージがこびりついた安倍さんでは駄目だ」(自民党ベテラン議員)という厳しい空気だという。
ある現職閣僚は「与党で過半数どころではない。自民単独で100を落とせば、安倍首相は即退陣表明だ」と明言。
自民党幹部は「不謹慎な言い方だが、末期に近い状態」と自虐的に評した。
今回の「100減」はそうした情勢調査の上に、全国47都道府県連や各県警などの情報機関や分析を積み上げたもので、
自民党幹部は「小池氏による『排除の論理』で、うちに潮目が変わったとの感触を得ていた。しかし、結果はまさかの数字。
地方でここまで自民の印象が悪いとは想像できなかった。93年の政権交代時、大惨敗した7月の都議選
がまた再現されてしまう。本当にまずい」と強い危機感をにじませた。
閣僚経験者は本誌に「自民党が圧勝した過去2回と比べて厳しいことは間違いない。野党の動きはなんとも言いようがない」と述べた。
官邸と自民党では安倍退陣を前提とした対処法が早くも協議され始めたという。
予測された数字通りであれば、公明党(現有35議席)とあわせ、与党単独過半数を割れとなる。
そうなれば、政権交代が現実のものとなるが、小池都知事は今のところ(3日現在)、メディア各社のインタビューでは出馬を否定している。
「与党単独過半数微妙なギリギリの数字になった場合の連立をどうするか。小池氏が出馬しない場合、
首班指名投票の際に反安倍勢力が石破茂元幹事長で固まり、石破氏に票が流れるのではないか。
安倍首相が退陣すれば、周辺は全員干され、党内政治が大きく変わるだろう」(別の自民党幹部)と強い警戒感を抱いている。
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